AIを役割で使い分ける ― 開発×調査の4ツール体制で生産性を最大化する話
- 生成AI
- Claude
- Gemini
- Devin
- NotebookLM
- 中小企業
はじめに:私のAI役割分担を一例としてご紹介します
2022年末にChatGPTが話題になってから、AIツールは急速に普及し、今では多くの方が複数のAIを目的ごとに使い分けていらっしゃると思います。役割分担そのものは、もはや特別な話ではありません。
ただ、私自身もAIを毎日工夫しながら活用するなかで、自分なりの使い分けの形が少しずつ固まってきました。本記事では、その一例として私の役割分担をご紹介します。「他の人はどう使っているのだろう」と気になる方の参考になれば嬉しいです。
私が現在使っているのは4つのツール。役割はシンプルに2つに分けています。
- 開発チーム: Claude(新規開発・コード生成)× Devin(実装・エラー調査)
- リサーチチーム: Gemini(情報収集)× NotebookLM(整理・理解)
この4つを使い分けることで、一人でも開発と調査を同時に回せる体制になっています。以下、それぞれのツールを実際にどう使っているかを具体的にご紹介します。
私が使っているAIツール4つ
1. Claude(Anthropic)― 考える仕事のパートナー
Claudeは、長文の読み込みや複雑な指示への対応が得意なAIです。私は主にコード生成や開発支援に使っていますが、文章の壁打ち相手としても優秀です。
こんな場面で使っています:
- システム開発時のコード生成・レビュー
- 技術的な仕様書・提案書の下書き
- 複雑な問題を整理して考えたいとき
エンジニアでなくても、「この文章をわかりやすく直して」「この企画書の穴を指摘して」といった使い方で十分に価値を発揮します。
2. Devin(Cognition)― ジュニアエンジニアとして接するAI
Devinは自律的にコードを書いたり調査したりできるAIですが、私はジュニアエンジニアとして接しています。設計や難しい判断はこちらで持ちつつ、明確に切り出せる作業を任せる、というスタンスです。
そのため、Devinに任せるのは次の条件を満たすタスクに絞っています。
- どう実装したいかが自分の中で明確になっていること
- Claudeで進めている作業と競合しない箇所の修正であること
たとえば「ここのバリデーションを追加する」「この画面のレイアウトを既存ルールに合わせて直す」のように、ゴールが具体的で影響範囲が限定的な修正です。逆に、設計の方向性が定まっていない新規機能や、Claudeで同時に触っているファイルへの変更は任せず、自分とClaudeで進めます。
こんな場面で任せています:
- 出張中・外出中に、明確化済みのタスクを渡して実装の一次対応を進めてもらう
- Slack連携でエラー通知が来たら、まず内容と原因の当たりをつけてもらう
- 既存コードの仕様を自然な言葉で説明してもらう
ジュニアエンジニアと同じで、指示の粒度を細かくし、レビューを前提にするのがうまく付き合うコツです。タスクを分解して渡し、出てきたアウトプットは必ず自分で目を通す。この前提さえ守れば、戦力として十分に機能してくれます。
Claudeが「自分が考えるときの壁打ち相手」だとすると、Devinは「明確になった作業を任せられる若手メンバー」です。役割を分けたことで、一人でも複数の作業を同時に進められるようになりました。
3. Gemini(Google)― Google Workspaceユーザーは今すぐ使える
Geminiの最大の強みは、Google Workspaceを契約していれば追加費用ゼロで使える点です。GmailやGoogleドキュメントと連携しており、日常業務にそのまま組み込めます。
こんな場面で使っています:
- メールの文章作成・要約
- Googleドキュメントの草稿作成
- 調査・リサーチの一次情報収集
- スケジュール機能でIT最新情報・脆弱性レポートを定期自動取得
特に「調査・リサーチの一次情報収集」は、Geminiに任せた瞬間に体感が変わります。気になるテーマについて、自分でブラウザを開いて検索して、複数のサイトを開いて読み比べて……という作業、毎回どれくらい時間をかけていますか? Geminiに同じ問いを投げると、関連情報をまとめて返してくれるので、自分で一から調べるより圧倒的に速く全体像をつかめます。最終的なファクトチェックは必要ですが、「どこから読み始めるか」を決めるまでの時間がほぼゼロになるのは大きな違いです。
そしてもう一つ活用しているのがスケジュール機能です。「毎月、特定技術領域の最新情報をまとめて通知する」「週次で脆弱性情報をチェックしてレポートする」といった作業を自動化しています。これまで手動で情報収集していた時間がまるごと削減でき、常にアンテナを張った状態を維持できます。
「AIを使い始めたい」という方に私が真っ先におすすめするのがGeminiです。新しいツールを入れる必要がなく、いつも使っているGoogleの画面から始められるからです。
4. NotebookLM(Google)― リサーチ→理解の時間を大幅に短縮
NotebookLMは、資料やWebページを読み込ませて、自分専用のAI司書を作れるツールです。私はGeminiでリサーチした内容をNotebookLMに整理させることで、情報のインプット時間を大幅に短縮しています。
具体的な使い方:
- Geminiで特定テーマのリサーチを行う
- 得られた情報・記事をNotebookLMに取り込む
- NotebookLMに「要点をまとめて」「疑問点に答えて」と質問する
新しい技術トレンドや業界動向をキャッチアップする時間が、以前の半分以下になりました。
4つのツールの使い分けまとめ
| ツール | 得意なこと | こんな方におすすめ |
|---|---|---|
| Claude | 深く考える・長文処理・新規開発支援 | 企画・文章作成・エンジニア |
| Gemini | 日常業務との連携・定期レポート自動化・リサーチ | Google Workspaceユーザー全員 |
| Devin | 外出中の実装・エラー調査・仕様把握 | 開発チームのある企業・エンジニア |
| NotebookLM | 情報の整理・理解の深化 | インプット量が多い方 |
4つを使い分けるといっても、最初はGeminiだけで十分です。使い慣れてから、Claude・NotebookLM・Devinと少しずつ試してみてください。
中小企業がAI導入で最初にすべきこと
難しく考える必要はありません。まずこの3ステップから始めてみてください。
ステップ1:今使っているツールにAIが付いていないか確認する Google Workspace・Microsoft 365・Notionなど、すでに契約しているサービスにAI機能が追加されていることが多いです。
ステップ2:メールや文章作成に使ってみる 最初から業務改革を目指さなくて大丈夫です。「このメールを丁寧な言葉に直して」といった使い方から始めましょう。
ステップ3:使えた体験を社内で共有する 一人が使い始めた小さな成功体験を共有することで、組織全体にAI活用が広がっていきます。
まとめ
AIは特別なスキルがなくても使えます。重要なのは、完璧な使い方を目指すことではなく、まず使い始めることです。
弊社では、AIツールの選定から社内への導入・定着支援まで、企業の状況に合わせたサポートを行っています。「何から始めればいいかわからない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。