Claude・Gemini・NotebookLM の使い分け ― 開発と調査をAIで役割分担する実践法(中小企業向け)
- 生成AI
- Claude
- Gemini
- NotebookLM
- Devin
- 中小企業
はじめに:Claude・Gemini・NotebookLM を役割で使い分ける
2022年末にChatGPTが話題になってから、AIツールは急速に普及し、今では多くの方が複数のAIを目的ごとに使い分けていらっしゃると思います。役割分担そのものは、もはや特別な話ではありません。
私自身もAIを毎日工夫しながら使うなかで、自分なりの使い分けの形が固まってきました。本記事では、私が実際にどう分けているかを具体的にご紹介します。これからツールを選ぶ方が「どう組み合わせれば一人でも開発と調査を回せるか」を判断する、その参考になれば嬉しいです。
私が軸にしているのは Claude・Gemini・NotebookLM の3つ。役割はシンプルに2つに分けています。
- 開発: Claude(新規開発・コード生成・壁打ち)
- 調査: Gemini(情報収集)× NotebookLM(整理・理解)
この組み合わせで、一人でも開発と調査を同時に回せる体制になっています。加えて、明確に切り出せる実装作業は Devin にも任せていますが、これは開発を補助する役割なので後ほど触れます。
なお、ここで挙げるツールは、いずれも数週間単位でモデルが更新されていく領域です。本記事は 2026年6月時点 の使い方として読んでいただければと思います。
開発と調査、それぞれのツールの使い方
1. Claude(Anthropic)― 考える仕事のパートナー
Claudeは、長文の読み込みや複雑な指示への対応が得意なAIです。私は主にコード生成や開発支援に使っていますが、文章の壁打ち相手としても優秀です。
こんな場面で使っています:
- システム開発時のコード生成・レビュー
- 技術的な仕様書・提案書の下書き
- 複雑な問題を整理して考えたいとき
仕様書や設計ドキュメントをAIに扱わせるときの考え方は、AI駆動開発で求められるエンジニアの判断力 で詳しくまとめています。コードを書かせる前に「何を作るか」をドキュメントで固めておくと、Claudeの出力が一気に安定します。
エンジニアでなくても、「この文章をわかりやすく直して」「この企画書の穴を指摘して」といった使い方で十分に価値を発揮します。非エンジニアの方がAIに開発を頼むときのコツは、非エンジニアが生成AIで社内アプリを開発するコツ にカレーの注文に例えてまとめました。
また私は、Claudeが作った文章やコードを、最後にあえて厳しくレビューさせる使い方もしています。AIは放っておくと肯定的な返事ばかりになるためです(AIは忖度し、厳しいことを言わない)。
2. Gemini(Google)― Google Workspaceユーザーは今すぐ使える
Geminiの最大の強みは、Google Workspaceを契約していれば追加費用ゼロで使える点です。GmailやGoogleドキュメントと連携しており、日常業務にそのまま組み込めます。
こんな場面で使っています:
- メールの文章作成・要約
- Googleドキュメントの草稿作成
- 調査・リサーチの一次情報収集
- スケジュール機能でIT最新情報・脆弱性レポートを定期自動取得
特に「調査・リサーチの一次情報収集」は、Geminiに任せた瞬間に体感が変わります。気になるテーマについて、自分でブラウザを開いて検索して、複数のサイトを開いて読み比べて……という作業、毎回どれくらい時間をかけていますか? Geminiに同じ問いを投げると、関連情報をまとめて返してくれるので、自分で一から調べるより速く全体像をつかめます。最終的なファクトチェックは必要ですが、「どこから読み始めるか」を決めるまでの時間がほぼゼロになるのは大きな違いです。
どんな依頼ならAIに精度を期待でき、どんな依頼はたたき台として受け取るべきか――その線引きは 生成AI活用のコツは「期待値」の見極め で整理しています。リサーチをGeminiに任せるときも、この見極めが効いてきます。
そしてもう一つ活用しているのがスケジュール機能です。「毎月、特定技術領域の最新情報をまとめて通知する」「週次で脆弱性情報をチェックしてレポートする」といった作業を自動化しています。これまで手動で情報収集していた時間がまるごと削減でき、常にアンテナを張った状態を維持できます。こうした「決まった時刻にAIへ作業を振る」発想を、タスク管理ツールと組み合わせて業務全体に広げる方法は AIに業務を任せる ― タスク管理ツールで「考える」と「作業する」を分ける にまとめています。
「AIを使い始めたい」という方に私が真っ先におすすめするのがGeminiです。新しいツールを入れる必要がなく、いつも使っているGoogleの画面から始められるからです。
3. NotebookLM(Google)― リサーチ→理解の時間を大幅に短縮
NotebookLMは、資料やWebページを読み込ませて、自分専用のAI司書を作れるツールです。私はGeminiでリサーチした内容をNotebookLMに整理させることで、情報のインプット時間を大幅に短縮しています。
具体的な使い方:
- Geminiで特定テーマのリサーチを行う
- 得られた情報・記事をNotebookLMに取り込む
- NotebookLMに「要点をまとめて」「疑問点に答えて」と質問する
新しい技術トレンドや業界動向をキャッチアップする時間が、大幅に短縮されました(個人の体感)。
補助:Devin(Cognition)― 明確化済みの実装を任せる若手メンバー
ここまでの3つが軸ですが、開発をさらに前に進めるために、私は実装の一部を Devin にも任せています。Devinは自律的にコードを書いたり調査したりできるAIですが、私はジュニアエンジニアとして接しています。設計や難しい判断はこちらで持ちつつ、明確に切り出せる作業を任せる、というスタンスです。
そのため、Devinに任せるのは次の条件を満たすタスクに絞っています。
- どう実装したいかが自分の中で明確になっていること
- Claudeで進めている作業と競合しない箇所の修正であること
たとえば「ここのバリデーションを追加する」「この画面のレイアウトを既存ルールに合わせて直す」のように、ゴールが具体的で影響範囲が限定的な修正です。逆に、設計の方向性が定まっていない新規機能や、Claudeで同時に触っているファイルへの変更は任せず、自分とClaudeで進めます。
こんな場面で任せています:
- 出張中・外出中に、明確化済みのタスクを渡して実装の一次対応を進めてもらう
- Slack連携でエラー通知が来たら、まず内容と原因の当たりをつけてもらう
- 既存コードの仕様を自然な言葉で説明してもらう
ジュニアエンジニアと同じで、指示の粒度を細かくし、レビューを前提にするのがうまく付き合うコツです。この「AIに任せる範囲と、人間が握るべき範囲」をどう切り分けるかは、予約システム開発の1年で得た知見を AI駆動開発の勘所と「不認知負債」 に詳しくまとめています。
ツールの使い分けまとめ
| ツール | 役割 | 得意なこと | こんな方におすすめ |
|---|---|---|---|
| Claude | 開発(軸) | 深く考える・長文処理・新規開発支援 | 企画・文章作成・エンジニア |
| Gemini | 調査(軸) | 日常業務との連携・定期レポート自動化・リサーチ | Google Workspaceユーザー全員 |
| NotebookLM | 調査(軸) | 情報の整理・理解の深化 | インプット量が多い方 |
| Devin | 開発(補助) | 外出中の実装・エラー調査・仕様把握 | 開発チームのある企業・エンジニア |
軸となるのは Claude・Gemini・NotebookLM の3つ です。最初は調査の入口になるGeminiだけで十分。使い慣れてから、Claude・NotebookLMと少しずつ広げ、開発を任せられる段階になったらDevinを足す、という順番がおすすめです。
中小企業がAI導入で最初にすべきこと
難しく考える必要はありません。まずこの3ステップから始めてみてください。
ステップ1:今使っているツールにAIが付いていないか確認する Google Workspace・Microsoft 365・Notionなど、すでに契約しているサービスにAI機能が追加されていることが多いです。
ステップ2:メールや文章作成に使ってみる 最初から業務改革を目指さなくて大丈夫です。「このメールを丁寧な言葉に直して」といった使い方から始めましょう。
ステップ3:使えた体験を社内で共有する 一人が使い始めた小さな成功体験を共有することで、組織全体にAI活用が広がっていきます。
まとめ
AIは特別なスキルがなくても使えます。重要なのは、完璧な使い方を目指すことではなく、まず使い始めることです。そして、ツールごとの役割を決めて使い分けるだけで、一人でも開発と調査を同時に回せるようになります。
AIツールの選定から社内への導入・定着支援まで、企業の状況に合わせたサポートを行っています。「何から始めればいいかわからない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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