AIに業務を任せる ― タスク管理ツールで「考える」と「作業する」を分ける
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はじめに
AIは活用しているけれど、結局その都度プロンプトを入力して、横についたまま一緒に作業している——そんな状態になっていないでしょうか。本当は、AIに任せられることは任せて、自分の時間をもっと有効に使いたい。
私もそう考えてきました。ただ、いざ任せようとすると、どこかで自分が見ていないと不安で、かえって手間が増える。AIは作業を速くこなしてくれますが、「どこまで任せて、どこから自分が判断すべきか」の境界が曖昧なままだと、任せたつもりでずっと気にかけることになります。
私のやり方は、その境界をタスク管理ツールの上で引いてしまう、というものです。考えること・判断することは人間、決まった作業はAIに任せる。この分担を、頭の中ではなくツール上で目に見える形にするわけです。
タスク管理ツールの上で境界を引く
私が使っているのはClaudeとGeminiです。どちらにも、決まった時刻にAIが自動で動く機能があります(Claudeはデスクトップアプリのスケジュールやルーティン、GeminiにもGmailなどと連携した定期実行の機能があります)。私は開発まわりではClaudeを、メールなどGoogleのサービス上の業務ではGeminiを、という形で使い分けています(ClaudeとGeminiをどう役割分担しているかは Claude・Gemini・NotebookLM の使い分け で具体的に紹介しています)。そして「AIが何をすべきか」は、GitHubのプロジェクト(タスク管理)で管理しています。
やっていることは、人に業務を頼むときとほとんど変わりません。必要なタスクのチケットを起こし、担当者を割り当てる。違うのは、その担当者にAIを割り当てる、という点だけです。
具体的には、AIに任せるタスクに「AI依頼」の印(ラベル)を付けます。AIは定期実行のたびにこの印を見て、自分が手をつけるべきタスクを判断します。作業が終わったらAI自身にこの印を外させるようにしておけば、印の有無を見るだけで進捗を確認できます。
この「AI依頼」の印は、一種類である必要はありません。印を複数の種類に分けておくと、AIに渡すコンテキストを切り替えられます。たとえば調べ物を頼むときと、決まった形式の作業を頼むときとでは、AIに必要な前提も判断も違う。印で「どういう文脈の作業か」を指定することで、より専門的な作業を任せられるようになります。
開発の場合
自社サービスの開発を例にします。システム開発には設計・コーディング・テストという段階があり、私はそのすべての段階でAIが自律的に作業できるようにしています。
ただし、すべてを任せるわけではありません。工程の中で「考える必要がある場所」は、AIに渡さず自分で考えます。AIが担当するのは作業の部分だけ、思考の部分は人間が持つ。冒頭の境界の話を、開発の各工程の中でも引いている、ということです。
メール業務の場合
これは開発に限った話ではありません。前述のGeminiを使って、毎朝のメール確認でも同じことをしています。
Geminiに、毎朝7時に「過去24時間で返信が必要なメールを一覧にする」という作業を任せています。おかげで、緊急性の高いものを朝いちばんに把握できる。判断(どう返すか、何を優先するか)は自分がしますが、拾い出す作業はAIに任せている、というわけです。
特別なツールがなくても、いつも使っているメールやタスク管理ツールに、こうした「定期的にAIへ作業を振る」仕組みは組み込めます。
まとめ
- 境界をツール上で目に見える形にする。考える・判断するのは人間、決まった作業はAIと決め、その分担をタスク管理ツールの上に引く。
- AIを「担当者」として扱う。チケットを起こし、「AI依頼」の印(ラベル)を付けて割り当て、終わったらAI自身に印を外させれば進捗が一目でわかる。
- 印を使い分けてコンテキストを切り替える。調べ物と定型作業では必要な前提が違う。印の種類で文脈を指定すれば、より専門的な作業も任せられる。
- 開発でもメールでも同じ。特別なツールがなくても、いつものツールに「定期的にAIへ作業を振る」仕組みは組み込める。
こうして、人間が逐一「次はこれをやって」と指示しなくても、印が付いたタスクをAIが拾って動く状態になります。私が見るのは「次にやる作業」ではなく、「人間の判断が必要な箇所」だけ。一人でも業務を回せているのは、この境界の引き方によるところが大きいと感じています。
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